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5800との比較で評価は厳しいのですが、人気は有ります ICF-5500
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73年発売、定価¥15500の3バンドモデル。
BCLラジオブームの始まりの時期にラジオでは比較的マイナーな存在だったビクターから発売されて居ます。
56年生まれの小生と同年代前後の方々は実感としてよく覚えて居られると思うのですが、ビクターというのは4チャンネルステレオや可変音質調整のSEA等でオーディオ界ではそれなりに有名なメーカーでした。
然しラジオについては殆ど目立ったところが無く、細々と地味なモデルを出して居たイメージしか無いかと思います。
所が、此方でラジオを扱う様になり多種多様なメーカーの製品を弄って居るうちに分かったのは、このビクターというメーカー、ラジオでも侮れない実力を持って居たのだという事実です。
70年代初頭のポータブルラジオといえばソニーとナショナルが矢継ぎ早に新製品を出し、新しい技術が投入された魅力的なモデルが目白押しでした。
ワールドボーイ、IC11シリーズ、クーガ、スカイセンサー等枚挙にいとまがありません。
そんな中で小生が普段ベストであると公言して居るのがワールドボーイTXで、音も感度も突出して居ると思います。
特に音については他の追従を許さない、と思って居たのですが、その確信をこのビクター派見事にひっくり返しました。音で言えば、このF-230と後継機であるF-240がポータブルとしてはベストです。小生の偏見では無く、結構多くの方がこのモデルとF-240の音の良さを賞賛して居ます。
このモデルで言えば10cmのアルニコ磁気回路のウーファーと5cmのツィーター、後者の前面には指向性を改善するでフューザー付きです。
感度も極めて良い。何となればTX、GXO、2000GXといったこの時代のトップモデルと同じ極太で長大(φ12x180mm)なフェライトアンテナを持って居ました。
それでもビクターと言う会社のネームバリューが比較的低かったのでしょう。このモデルもその後継機も日の目を見る機会はなかった様です。
春秋戦国時代に諸国を彷徨った孔子の言葉をわざわざ引き合いに出したのは、如何に物が良くともそれを我々ユーザーが評価出来なければ、売れる事はないと言う冷徹な事実が有ったからです。
まあ、今からでも良いモデルを手にする事は悪くない趣味だと思います。これは望外に綺麗な完動品です。正に我は価をもつ物、です。
オリジナルのアダプターもお付けします。
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